
最近テレビなどで「自律型人材」という言葉を目にしますね。皆様の中には、自律型人材が実際にどういう人材か、またどのような手順で育成するのか、疑問に思われている方も多いことでしょう。
そこで今回は自律型人材とはそもそも何なのかを下記の3つに分けて、調査しました。
- そもそも自律型人材とは?
- 自律型人材がなぜ必要か
- 育成方法を詳しく解説
この記事を通して、自律型人材についての知識を得て頂けると嬉しいです。また、記事の最後には具体的な育成方法もお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
そもそも自律型人材とは?特徴は?

自律型人材についてお伝えする前に、まずは「自律」という言葉の意味を改めて確認したいと思います。
「じりつ」という言葉には、「自律」と「自立」の2つがあり、この2つは似ているように見えますが、実は異なる意味を持つ言葉です。自立とは、環境や他者に依存することなく、能力や経済力が独り立ちすることを表します。自律とは、「価値観や信条が独り立ちすること」です。
では、改めて自律型人材とはどういう人材を意味するのでしょうか。
「自律型人材」とは、自分の価値観や意志を持っている人材です。その意志に基づいて、今何をすべきかを自分自身で考えた上で判断、行動し、業務に対して主体性を持って成し遂げる事ができる人材のことを指します。上からの指示をただ待つのではなく、業務に対して自主的に取り組み、成果へと導くことができます。
自分の意志で行動できる「自律型人材」が多く在籍している企業は、組織としての動きも非常に速く、社会的に成長を遂げやすくなります。
自律型人材の特徴は?

主体性を持っている
会社の一員として企業をより良くするために、自分が何をしたら良いのか、何ができるのかを考え、率先して行動できる特徴を持っています。自分に与えられた役割をきちんと理解しているので、それに対して自らアグレッシブな目標を設定し、成果へと導いていける人材です。
仕事に対しての責任感が強い
設定した目標を達成するためには、自分は何をするべきかを自分自身で考えて、最後まで全力で取り組んでいく特徴があります。そのため責任感が非常に強く、自分が決断したという意識が強いので、ミスや失敗に対してもしっかりと受け止めるでしょう。ミスや失敗の何が問題であったのか、どう工夫すれば状況が改善されるかを自分から進んで考え行動することができます。
自分の意志や価値観を大切にしている
自律型人材は、周りの意見や固定概念に囚われず、自分の意志や価値観を大切にしながら、仕事ができる人が多い傾向にあります。自分自身が納得できる答えへ導けるよう、会社の他の社員と意見、情報を交わす事ができるので、結果、仕事にオリジナリティを出すことができる。
なぜ自律型人材が求められるのか

新しい時代の流れ、環境の変化に対応するため
現代社会はめまぐるしいスピードで変化しており、その変化と共に、企業に求められる行動も常に変化しています。これから先、組織が存続していくには、環境の変化や時代の流れに臨機応変に対応しながら、企業の目標達成に向けて仕事を進めることが重要です。
人材に関しても同様に、環境の変化や時代の流れに合わせながら、自分の意志、価値観で考え行動できる自律型人材を育成することで、上司の指示を待たず迅速に行動できる人材が増え、企業活動はこれから先もより良いものになるでしょう。
さまざまな時代や流れの変化に素早く柔軟に対応できる組織づくりのために、自分の意志で行動できる自律型人材の必要性が高まっているのです。
働き方の多様化
近年はフルフレックス制や時短勤務、テレワークなど、働き方が多様化しています。特に在宅勤務は、ここ1、2年間でますます増加しました。しかし企業としては、従業員一人ひとりが異なる働き方をしているため、管理が難しくなっています。
そんな管理が難しい中でも自律型人材が増えていけば、従業員一人一人が自分で判断して仕事を進めてくれるので、企業としても組織運営がしやすくなるという事です。
自律型人材を育成するには?

それでは、実際に自律型人材を育成する方法を具体的にお伝えしていきます。どの項目も自律型人材を育成するためにはもちろん必要なものばかりですが、人材の育成のために重要な内容もありますので確認してみてください。
企業理念を理解してもらう
まず会社が目指すビジョンや企業理念に、社員が自ら共感することが必要です。会社がどこに向かっていて、何を目指しているのかが不明だと、社員の中に迷いや疑心が生まれてしまい、正しい判断を下せなくなってしまいます。
責任が大きな仕事を任せる
自律性を高めるには、自ら考えて行動する経験を積み重ねる事が必要です。適切な判断を基に実際の行動に移すためには、その都度の業務において充分な情報を得られ、かつ円滑に業務を遂行できる権限を与える事が重要になるでしょう。
心理的安全性を確保する
他者の反応に怯えてしまったり羞恥心を感じることなく、ありのままの自分の考え、意見を言うことのできる環境や雰囲気のことを心理的安全性と言います。 アメリカの大企業での調査で、心理的安全性こそがチームの成功をもたらすために最も重要である、という結果が出たのは有名な話でしょう。
社員の自律性を養う過程は、チャレンジの連続です。 失敗したとしても再度踏み出そうという、社員が業務にためらわずに挑戦できる環境を作り出すことが、積極的に学びや成長の機会を掴みにいくキッカケとなります。
まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はそもそも自律型人材とは何か、その特徴と、実際に育成するための手順をお伝えしました。
- 自律型人材とは、主体性を持っており、自分の意志や価値観を大切に責任感を持って行動する人材
- 求められる理由は、時代の流れや環境の変化に適応する事が求められており、働き方の多様化にある
- 育成方法は、企業を理解してもらい、責任ある仕事を任せ、心理的安全性を確保すること
この記事を読んで、自律型人材の育成が少しでも円滑に進むように願っております。
最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。