本コラムでは、当社コンサルタントの武田が、「キャリアエッセイ2~自分のミッションを求めて~」と題し、キャリアを考える上でのヒントをご紹介させていただきます。今回は、「苦しむ自分を受け止める優しさを育むこと」をテーマにお伝えします。
苦しむ自分を受け止める優しさを育むこと
私たちの日々の生活は、ストレスを感じないで過ごすことが難しいですね。
他者の言動を受けて、意識的に不一致を通した直接的なストレスを感じることもありますが、自分の中で無意識の「思考」や「感情」に振り回されて、気づかぬうちにストレスが蓄積されていることもあるようです。
「マインドフルネス」という考え方があるのですが、これは自分自身で無意識に思考している習慣に気づき、その思考を中断し、「今、ここ」に意識を向けて、「良い悪い」という価値判断をしないであるがままを受け入れること と定義されます。
人間は、「~すべき」「~ありたい」など言語的に認識していることは、さも実体験をしていることと同様に脳が認識していますので、ある意味で心の中の無意識な磁石となっています。そうすると、その磁石に反発する事象や想定は、常に違和感を感じるネガティブ要因となり、ストレス因となります。その不協和を解消しようとすればするほど、エネルギー消耗してしまうのです。
マインドフルネスでは、こんな状況を緩和すべく、不協和を排除するのではなく、善悪の判断から離れて「今ここ」に集中し、自分の心を制御しないようにします。
具体的には、呼吸法とかヨガなどの身体を動かすことにより集中する手段がありますが、基本的には、自分自身を受け入れることが基本となります。
本日放送大学大学院の講義を聴いていたのですが、本日のテーマである「苦しむ自分を受け止める優しさを育むこと」という話に心打たれました。
私の場合、認知が極端で、善悪・白黒つけたがる傾向が強いので、普段から不協和によるイライラが強いのですが、自分の中で無意識に作りだした「あるべき姿」への固執が自分自身を苦しめる一翼となっていることに気づかされました。
イライラを感じると、自分自身への凹みや限界感に繋がってしまうのですけど、その苦しむ自分を受け止めるだけの勇気もありません。でも標記の「そんな自分を受け止める優しさを持ちなさい」という言葉は、自分自身をもっと大切にしなさい、というメッセージなのだと思いました。
そもそも自分自身は、自分の所有物ではなく、天から与えられた資源という捉え方もできるかもしれません。
それを大切に取り扱うことをマインドフルネスは教えてくれました。