本コラムでは、当社コンサルタントの武田が、「キャリアエッセイ2~自分のミッションを求めて~」と題し、キャリアを考える上でのヒントをご紹介させていただきます。今回は、「『自分は不幸だ』と思ったときから不幸は始まる」をテーマにお伝えします。
「自分は不幸だ」と思ったときから不幸は始まる

「自分は不幸だ」と思ったときから、不幸は始まるんです。
そう思った瞬間に、より大きな不幸が周囲からワーッと押し寄せてきます。
しかし、どんな場合でも必ず「無常」。
「無常」とは、同じ状態は決して続かないということ。
すべてのことは流れていく、すべてのことは、時間とともに移りゆくのです。
これは、瀬戸内寂聴さんの『愛することば あなたへ』という本の中から抜粋させていただいた言葉です。
心理の世界でいえば、現実を「100%不幸」と捉える認知はあくまで偏った認知であり、物事には常に両面があるのだから、現在の状態の意味を広い視点で考えることも大切であるといえます。
私自身、過去を振り返ると、正直申し上げれば、「自分ばっかりなぜこんな損な役割が回ってくるのだろう」と不幸感に浸っていたときもありました。
その頃を考えると、周囲から見れば大したことが無いように見えても、自分自身は本当に辛かったことを思い出します。
また同書には、次のようなことも書かれていました。
不条理な世の中ってものを、まず認めなければ仕方がないですね。
そしてそれはとても嫌なことだけれども、現実がそうなんですから、
その中で不条理に打ち勝って、私たちは生きていかなければならない。
不条理に絶望しないで、そして絶望の淵から、立ち上がって生きていくしかない。
これがこの世の中ではないかと思います。
現実を受け止め、そこからできることとできないことを真摯に考え、自分の言葉で周囲に伝えつつ共存を模索する努力をすること。
辛いけれども、このように対応しながら、与えられた現実の意味を考えていくしかないのでしょう。
そんな中でも、人生は「無常」であるという言葉は、生きる勇気をいただけたような気がしました。
あなたが元気に生きて行くことこそが、亡くなった方への最高の供養です。
瀬戸内さんのこの言葉も、当時の私には身に沁みました。
私も「子供」であり「親」でもあるのですけど、親が子を思う気持ちは、無条件の優しさを伴うものと思います。
すでに父は他界しましたが、私自身が安易に現実に負けて自分自身を自ら傷つけるようなことを、
天国で決して望んではいないでしょう。
きっと持ち前のマンガのようなユーモアで、「そんな真面目に考えるな、達者に暮らせ」と言っているに違いありません。
マンガのように生きられたらいいですよね。