本コラムでは、当社コンサルタントの武田が、「キャリアエッセイ~自分のミッションを求めて~」と題し、キャリアを考える上でのヒントをご紹介させていただきます。今回は、「心に咲いた花」をテーマにお伝えします。
心に咲いた花
先日、先輩方のブログを拝見していまして、胸に響く言葉をいただきました。「今を変えるには行動する。怖いけど、勇気を持って一歩踏み出すことが大事。」という言葉でした。
マインドフルネス理論でも言われていますが、自分の心の中でネガティブな思いを循環させてしまうと、心が消耗してしまいます。「今ここ」に集中し、ある意味無心で、一歩踏み出す行動に集中すること。そして、踏み出した場所から世界を眺めてみると、今までと違った世界が見えてくると思います。
中学校の体育教師であった星野富弘さんは、マット体操の着地に失敗し、首から下の運動機能を失ってしまいます。一命はとりとめたものの、生きてゆくための精神的、身体的な苦しみは私たちには想像を絶するものであったと思います。
長い闘病の末、星野さんは、口に筆を加えて、絵を描くことを始めます。花の絵を書いたとき、「その咲いた花は、キャンバスの上でも咲いているが、自分の心の中に咲いた希望の花だった」と回想されています。まさしく、踏み出した一歩から感じる可能性を教えてくれるお話しです。
人生には、時流にうまく流されて活動を拡大していく時期(ドリフトの時期)と、ある種の節目にあたり、しっかりと自分のことを考えなければいけない時期があると思います。
苦しく辛い時期は、自分自身をドリフトさせずに、正しく正面から悩むことも大切だと思います。この正しく悩む時期があるからこそ、踏み出した一歩のところから自分の変化や成長を肯定して眺めることができ、そして新しい世界での活躍や貢献の機会が与えられるのだと思います。
「今を変えるには行動する。怖いけど、勇気を持って一歩踏み出すことが大事。」
正しい一歩を踏み出せるように、自分に正しく問うていきたいと思います。
■執筆者プロフィール
武田 宏
日清製粉グループオリエンタル酵母工業にて海外貿易業務に従事。その後同社にて人事制度改革プロジェクトに参加し、「人」という経営資源のあるべき姿について学ぶ。2001年株式会社ニッペコに入社。海外企業(独)との資本・業務提携のプロジェクト遂行、人事・経理・情報システム等の管理部門責任者を経て、現在は人材育成・社員相談業務を主とするキャリア支援室室長を務める。合わせて社長付として経営補佐の任も担う。
支援人事、キャリア開発支援に携わり15年が経過。現職の傍ら、現在放送大学大学院にて臨床心理課程で「心」を学び、組織視点だけでなく個人視点での成長にコミットできるよう研鑽を重ねている。2020年よりタラントディスカバリーラボ代表、㈱セイルコンサルタントとして、キャリア開発支援活動を開始。