本コラムでは、当社コンサルタントの武田が、「キャリアエッセイ~自分のミッションを求めて~」と題し、キャリアを考える上でのヒントをご紹介させていただきます。今回は、「才能の無い人はいない」をテーマにお伝えします。
才能の無い人はいない
「生きているからには、誰にでも生きるにふさわしい才能が必ずある」と思います。
「キャリア」について学んでいく中で、「キャリア」というのは、その人たちに与えられた才能(=タレント)を、自分と他者の成長や幸せのために活かすことであると私は考えていますが、その才能を各々がどのように発見し、認知して自分らしく生かしていこうとするか・・・私はその歩みこそ大切であると思うのです。
しかしながら、ビハインドな環境が重なったり、人間関係の上での障害が起こったりすると、自分の才能を見失い、現実適応が難しくなってしまったりします。私自身もそのような環境に飲み込まれて、自分を見失ってしまうことが多くあります。
本来個々人に備わっている才能を活かすこととは、自分が与えられた適性を知り、自分の評価軸を確立することであると思います。
自分の評価軸ですから、他者の軸でありません。でも、他者をすべて否定して、自分だけの正義を前提にした軸であるのなら、その自分軸というのはいずれは共同体から排除されてしまいます。そうではなくて、他者との共存を考慮した上での自分軸の確立は、自分の存在を維持するだけではなく、共同体における自分の才能を活かし、共同体に貢献することにもつながると思います。
そして、才能を活かすには、努力が欠かせません。しかし、努力しようと注力するあまり、努力していることが目的化してしまい、何に向けて努力しているのか、ゴールやゴールに至る戦略が不明確になってしまうということはありませんか。努力する先にあるゴールや目的が何なのか、それを熟慮して、与えられた才能を少しでも活かせるよう考え続けることが重要だと思います。
■執筆者プロフィール
武田 宏
日清製粉グループオリエンタル酵母工業にて海外貿易業務に従事。その後同社にて人事制度改革プロジェクトに参加し、「人」という経営資源のあるべき姿について学ぶ。2001年株式会社ニッペコに入社。海外企業(独)との資本・業務提携のプロジェクト遂行、人事・経理・情報システム等の管理部門責任者を経て、現在は人材育成・社員相談業務を主とするキャリア支援室室長を務める。合わせて社長付として経営補佐の任も担う。
支援人事、キャリア開発支援に携わり15年が経過。現職の傍ら、現在放送大学大学院にて臨床心理課程で「心」を学び、組織視点だけでなく個人視点での成長にコミットできるよう研鑽を重ねている。2020年よりタラントディスカバリーラボ代表、㈱セイルコンサルタントとして、キャリア開発支援活動を開始。