本コラムでは、当社コンサルタントの武田が、「キャリアエッセイ~自分のミッションを求めて~」と題し、キャリアを考える上でのヒントをご紹介させていただきます。今回は、「パーソナリティ障害で考えること」をテーマにお伝えします。
パーソナリティ障害で考えること
パーソナリティ障害とは、「思考・感情・行動などのパターンが平均から著しく逸脱し、社会生活や職業生活に支障をきたしている状態のこと」をいいます。
この障害は、一般的に3つの群に分けられます。
A群: 奇異な普通でない行動を示す群
B群: 派手な突飛な行動をする群
C群: 不安、恐怖に関連する行動を示す群
A群は、統合失調症をはじめとする疑いや孤独といった対人関係の不信感が色濃く現れる障害群になります。自ら社会との交わりを遮断するような行動が顕著です。
C群は、失敗や責任を恐れ、また過度に詳細なことに囚われ、自分の人生の主役感を簡単に放棄してしまうような障害群です。
このA群、C群だけ見れば、パーソナリティ障害というのは、社会適応できない方の典型例のような印象を持つことが普通だと思います。ただB群は、少々異なっています。
B群
・反社会性パーソナリティ障害:「他人の権利を無視する、そして侵害する様式」
・演技性パーソナリティ障害:「過度な情動性を示し人の注意を引こうとする様式」
・自己愛性パーソナリティ障害:「誇大性や賞賛されたいという欲求、共感の欠如を示す様式」
・境界性パーソナリティ障害:「対人関係、自己像、及び感情の不安定と、著しい衝動性を示す様式」
B群の障害の特徴を簡単に言えば、「自分は正義、他人は悪。だから俺に従うのは当然」という偏った勧善懲悪の世界を持っていることです。
B群の障害を持つ方について、社会適応のための自己制御の代表である防衛機制を上手く活用できずに、自己中心に相手を振り回すタイプと言われ、幼児期に母親との愛情関係を上手く作れずに、甘えること・甘えさせることができなくなったことが原因であると考えられています。
■執筆者プロフィール
武田 宏
日清製粉グループオリエンタル酵母工業にて海外貿易業務に従事。その後同社にて人事制度改革プロジェクトに参加し、「人」という経営資源のあるべき姿について学ぶ。2001年株式会社ニッペコに入社。海外企業(独)との資本・業務提携のプロジェクト遂行、人事・経理・情報システム等の管理部門責任者を経て、現在は人材育成・社員相談業務を主とするキャリア支援室室長を務める。合わせて社長付として経営補佐の任も担う。
支援人事、キャリア開発支援に携わり15年が経過。現職の傍ら、現在放送大学大学院にて臨床心理課程で「心」を学び、組織視点だけでなく個人視点での成長にコミットできるよう研鑽を重ねている。2020年よりタラントディスカバリーラボ代表、㈱セイルコンサルタントとして、キャリア開発支援活動を開始。