本コラムでは、当社コンサルタントの武田が、「キャリアエッセイ~自分のミッションを求めて~」と題し、キャリアを考える上でのヒントをご紹介させていただきます。サブタイトルの「自分のミッションを求めて」に込めさせていただいた想いとして、「自分という命が与えられた意味をどう考えどう活かすか」、即ち「職業人生を中心として、与えられたミッションを考えること」がキャリアを考える上で重要だと考えます。自分に与えられたミッションとは何か、簡単に答えが分かるものではないかもしれませんが、このコラムを通じ、少しでも考えるきっかけに繋がれば幸いです。
夢を描く力
日本女子バスケ界を代表するポイントガードの町田選手は、世界最高峰の女子バスケリーグであるWNBAに挑戦しています。
世界屈指の強豪が集まるリーグで、身長の低い町田選手が成果を出すことは簡単なことではないとは思いますが、「背が低くても通用することを証明したい」と明言し、バスケを愛する多くの人に勇気と希望を与えてくれています。
先日、キャリア勉強会の席上で、「夢を描く力」を持つことの大切さについて話し合われました。「あなたの夢は何ですか?」という問いに対して、答えられない若手が結構いるとのことを聞き、少々驚きました。
私自身も社会人になった若い頃を振り返ってみると、胸を張って答えられる人間では無かったと思います。ただ、少なくても仕事の延長線上では夢を語れていなかったと思うのですが、プライベートの世界では、色々な夢を考えていたことを思い出します。
この問いの背景には、「そもそも私たちは、何のために働いているのか、何のために「生」を受けたのか・・・・」という自分の存在意味についての思考が大きく関わっていると思っています。自分のこと(=自利)を常に中心に考え、他者のこと(=利他)を考えることを避けて通る人間もいますが、仕事にしても人間関係にしても、すべて目に見える損得勘定で考え、薄っぺらい相対的な比較で自分の立ち位置を考えてしまうような「損得亡者」には、夢を描く力は備わらないのではないかと思います。
宇宙飛行士になるという夢を持ってチャレンジし、最終的にその試験をパスして栄光を掴む人たちは、「自分だけの夢」ではなく、友人や家族、そして人間の未来のための夢も背負おうとしている人たちの集まりだと言われています。自分のためだけだとすれば、あれだけの苦しい訓練に堪えることはできないでしょう。
「夢を描き、それに向かって進むこと」
それを愚直に、そして真摯にできる人は素晴らしいと思います。
私も小さな夢ではありますが、その夢の実現に向けて、努力を重ねたいと思います。
■執筆者プロフィール
武田 宏
日清製粉グループオリエンタル酵母工業にて海外貿易業務に従事。その後同社にて人事制度改革プロジェクトに参加し、「人」という経営資源のあるべき姿について学ぶ。2001年株式会社ニッペコに入社。海外企業(独)との資本・業務提携のプロジェクト遂行、人事・経理・情報システム等の管理部門責任者を経て、現在は人材育成・社員相談業務を主とするキャリア支援室室長を務める。合わせて社長付として経営補佐の任も担う。
支援人事、キャリア開発支援に携わり15年が経過。現職の傍ら、現在放送大学大学院にて臨床心理課程で「心」を学び、組織視点だけでなく個人視点での成長にコミットできるよう研鑽を重ねている。2020年よりタラントディスカバリーラボ代表、㈱セイルコンサルタントとして、キャリア開発支援活動を開始。