本コラムでは、当社コンサルタントの武田が、「キャリアエッセイ2~自分のミッションを求めて~」と題し、キャリアを考える上でのヒントをご紹介させていただきます。今回は、「イチロー選手の言葉から」をテーマにお伝えします。
イチロー選手の言葉から
児玉光雄さんというスポーツ心理学者の書いた『イチロー流「最善主義」で夢を叶える』という書籍を読みました。
イチロー選手は、2019年3月21日の試合を最後に現役を引退しましたが、彼は日本で1278安打、メジャーで3089安打を積み重ねてきた安打製造機ともいえる天才です。でも本人は決して天才と思っておらず、小さな目標を積み重ねてきたプロセスの結果であり、大切なのは他者からの評価や他者との比較で考えることではなく、自分にとっての達成感である、と言っています。
引退会見では次のような話もされました。
「メジャーリーグに挑戦するということは、大変な勇気だと思うんですけど(中略)、それ(成功すること)ができないから行かないという判断基準では、後悔を生むだろうとなと思います。できると思うから挑戦するのではなくて、やりたいと思えば挑戦すればいい。その時にどんな結果が出ようとも後悔はないと思うんですよね。」
このイチロー選手の言葉を読んで、改めて考えました。
「自分は何をしたいのか」
「自分は何をすべきであるのか」
「自分の天から与えられたミッションは何なのか」
「自分のやりたいこと」が、すなわち「使命」と同義であるかどうかはわかりません。年齢を重ね社会生活を継続していくうちに、一般的には周囲の期待や収まっていくべき経路・着地点も見え隠れしてきます。でもこのような周囲の期待や風を読みすぎて、一種の修行僧のように人生の後半戦を生きることが本当に自分のミッションなのだろうか・・・。
自分がスポーツのプレイヤーだと仮定して、試合終了のホイッスルが鳴ったとき(=死を迎えるとき)、たとえ結果や技量がどうであれ、自分はコートの中で達成感を味わっているのか、それともベンチでプレイヤーを羨ましそうに眺めているのか・・・。
私は絶対にコートの中にいたいと思っています。でもそれが、本当にチームのためになっているかどうかも考えなくてはなりませんが・・・。
イチロー選手の言葉は明快です。
自分自身、自分の生き方をさらに真摯に問いたいと思います。