本コラムでは、当社コンサルタントの武田が、キャリアエッセイ1に続き「キャリアエッセイ2~自分のミッションを求めて~」と題し、キャリアを考える上でのヒントをご紹介させていただきます。今回も副題には「自分のミッションを求めて」にさせていただきました。
自分の本音を大切にする
人間だけでなく他の動物にも、HSP(Highly Sensitive Person)という他者一般と比べて神経が細やかな人たちが、全体の20%ほど存在する。このような説を米国のエイレン・アーロン博士は提唱しています。
このような「繊細さん」は、うれしいこと、喜ばしいことも人一倍感じることができる反面、嫌なこと、辛いことも他者より多く深く感じるが故に、その分苦労も多いようです。
特に職場などでは、細かなことに気が付くことが多いので、ついつい他者の支援をしたり余計なことに気遣ったりして、精神的に疲れてしまうことも・・・
また人間関係の基本構造は、「表に出している自分」に合う人が集まってくるので、「本当の自分」を抑えて殻を被っていると、その「殻」に合う人が集まってきてしまう、とも言われています。
社会生活をしていく上で、「自分の思いだけを主張し、他人の土俵では相撲を取らない」とか、「自分はこの上司が嫌いだから、その上司の仕事はしない」というスタンスでは、周囲はそういう人を認めてくれませんね。
組織にいる以上、すべてが自分の思い通りにはなりませんし、若い世代に限らず、中堅や管理者クラスの人間であっても、そのような基本的なルールで常に自分を律して社会生活を送ることは大切なことです。
ただ、相手の機嫌や周囲の仕事のことを考えすぎて、自分の思いを発することもせず、ずっと「良い人」を演じて疲れきってしまうまで周囲へ同調し続けるのは、果たしてどうなのでしょうか。そこまでいくと、自分自身を愛していないことにもなるのではないかと、そのようにも思います。
自己愛が強すぎるのは「人間としての凶器」だとすれば、自己愛が少なすぎるのは「生まれ持った個性を活かしていないモラトリアム人間」なのかもしれません。
自分の中に、狭くても「自分の居場所」を作り、疲れたときにはそっと休息を与えてあげること、そして自分の居場所は相手の中に求めないこと、そういう自律が大切なのだろうと思います。
自分の本音を大切に歩みたいと思います。そして、その上で自分の与えられた個性を活かし、自分のミッションを果たしていくこと、それが大切なのだと改めて思いました。