本コラムでは、当社コンサルタントの武田が、「キャリアエッセイ~自分のミッションを求めて~」と題し、キャリアを考える上でのヒントをご紹介させていただきました。
編集後記
最後までお読みくださり、どうもありがとうございました。
さも人生を悟っているようなことを書いてしまったりして見苦しい部分もあったかと思い反省していますが、誰にも「良いとき」もあれば「苦しいとき」もあり、決して世の中は同じ状態が続くわけではない「諸行無常」の世の中であることは、読者の皆さまにお伝えしたいと思っていました。
まさしく現在の自分がそうなのですが、このエッセイ発行の1年前までは、組織内での自分の立ち位置が分からず、そもそも自分のミッションは何なのだろうともがいていた時期が長くありました。
でも環境の側からもアプローチがあったのと同時に、自分自身も新たなチャレンジをしたいと思うエネルギーが湧いてきて、半分は組織を去る覚悟で、やりたいこと(というよりはやらなければならないと思ったこと)を訴え、現在の自分の役割が与えられることになりました。
近年逝去されたJ.クランボルツ教授の「プランドハップン・スタンス」によれば、人の前を同じように流れていく物事を、「好奇心」「持続性」「柔軟性」「楽観性」「冒険心」を持って受け止め咀嚼することができれば、人々はその偶然をチャンスに変えることができる、と言っています。
私たちは、一度しかない人生において「生きた証」として、何を社会のために残すことが出来るのか、自分の生存の意味を真摯に問いたいと思います。
そして、それこそが天に宝を積むことであり、自分の人生の土俵に、他者の笑顔を見ることのできる特権を得られる手段であるとも思います。
とかく成果重視のビジネス界において、その成果だけを勝負の基準とした場合、本当に人間らしい成長が与えられるのだろうか・・・。
30年以上企業人として働いてきた私の中では、上位の問いには「否」と応えるしかありません。それよりも大切にしなければいけないことがあると思うからです。
人間の真価の基準をどこに持つのか、それは読者の皆さま一人ひとりによると思いますが、私は「二利」(=自利と利他)をしっかり回せる人間こそ、人としての価値を体現できる人間なのだと思います。
またエッセイの続編でお会いできますことを心から楽しみにしています。
どうもありがとうございました。
■執筆者プロフィール
武田 宏
日清製粉グループオリエンタル酵母工業にて海外貿易業務に従事。その後同社にて人事制度改革プロジェクトに参加し、「人」という経営資源のあるべき姿について学ぶ。2001年株式会社ニッペコに入社。海外企業(独)との資本・業務提携のプロジェクト遂行、人事・経理・情報システム等の管理部門責任者を経て、現在は人材育成・社員相談業務を主とするキャリア支援室室長を務める。合わせて社長付として経営補佐の任も担う。
支援人事、キャリア開発支援に携わり15年が経過。現職の傍ら、現在放送大学大学院にて臨床心理課程で「心」を学び、組織視点だけでなく個人視点での成長にコミットできるよう研鑽を重ねている。2020年よりタラントディスカバリーラボ代表、㈱セイルコンサルタントとして、キャリア開発支援活動を開始。