本コラムでは、当社コンサルタントの武田が、「キャリアエッセイ~自分のミッションを求めて~」と題し、キャリアを考える上でのヒントをご紹介させていただきます。今回は、「自分らしいキャリアの歩み」をテーマにお伝えします。
自分らしいキャリアの歩み
最近、友人繋がりで紹介いただいた方から、私自身のキャリアの歩みについて、客観的なご評価を頂戴する機会をいただきました。
色々な気づきを得た中で、大切だと感じた2つの点を書き留めたいと思います。
1つ目は、「自分しかできないことは、覚悟を持って取り組むこと」ということです。
人間社会の営みの中では、必ずしも組織と個人の方向が一致するとは限らず、そこに様々な人間模様が生じます。個人事情はなるべく考慮されるべきとはいえ、組織が無ければ個人も存続しえないことを考えると、誰かがリーダーとして組織視点での運営に覚悟をもって取り組まなければなりません。
私自身、組織リーダーとして成熟していませんが、組織と個人両方のハブ役となるリーダーが真面目に取り組めば悩むのは当然のことであると、その方は励まして下さいました。
「他人の利益のために行動できる人は幸福度が高い。自分が幸せになりたいなら、人を幸せにすべきである」とよく言われます。自分の満足感や自分の城を守るのではなく、周囲の幸福はいかにあるべきかを正しく悩んでアクションを起こしていくこと、それが今の私に必要なことなのだろうと思いました。
2つ目は、自分自身のキャリア開発について、「今の立ち位置から、少し越境して考えてみる」ことをアドバイスしてくださいました。
最近はコロナ影響もあり、机上での知識吸収の機会はそれなりに確保できますが、他者と直接会って意見交換をするような機会は減りました。でもそんな時だからこそ、オンラインなども使いながら、他者と接点を持つことは大切なことであると。
ともすれば自社内での相対的な競争に心を奪われがちな中で、広く社外の方々との交流を通して、今まで見えていなかった若者の潜在的な声や社会貢献の場を考える機会を考える必要性、そして自分らしいキャリアの再発見にも繋げていくべきことを学びました。
これを機に、「自分らしいキャリアの歩み」ということを改めて考えてみました。
ポイントの一つは、E.シャイン教授が提唱された「キャリア・アンカー」だと思います。(「キャリア・アンカー」についてはこちらのコラムを参照)私自身はここ数年で「専門職能型」から「自律・貢献型」への変化が生じてきています。では具体的な貢献とは何なのか・・・
それこそ、内海に留まるのではなく、勇気を持って外洋に出航したときに出会える答えなのかとも思っています。
■執筆者プロフィール
武田 宏
日清製粉グループオリエンタル酵母工業にて海外貿易業務に従事。その後同社にて人事制度改革プロジェクトに参加し、「人」という経営資源のあるべき姿について学ぶ。2001年株式会社ニッペコに入社。海外企業(独)との資本・業務提携のプロジェクト遂行、人事・経理・情報システム等の管理部門責任者を経て、現在は人材育成・社員相談業務を主とするキャリア支援室室長を務める。合わせて社長付として経営補佐の任も担う。
支援人事、キャリア開発支援に携わり15年が経過。現職の傍ら、現在放送大学大学院にて臨床心理課程で「心」を学び、組織視点だけでなく個人視点での成長にコミットできるよう研鑽を重ねている。2020年よりタラントディスカバリーラボ代表、㈱セイルコンサルタントとして、キャリア開発支援活動を開始。