企業において、常に人材の確保は欠かせません。不景気の時には、多くの企業が未経験者の採用人数を減らし、代わりに即戦力となる人材を確保していました。しかし、採用難が続く近年は「ポテンシャル採用」を導入する企業も多くなってきました。そこで、今回はポテンシャル採用の基本的な情報やポテンシャル採用を導入するメリットとデメリットなどについて詳しく解説していきます。
ポテンシャル採用とは
ポテンシャル採用とは、求職者の伸びしろを評価して採用する方法です。基本的に新卒や第二新卒が対象となることが多いですが、中途採用でもポテンシャルが高く、優秀な人材を確保する方法として近年注目されています。特に、近年の少子高齢化や日本の労働力の減少の影響を受け、採用難になっている中小企業で多く実施されています。
ポテンシャル採用では、単に経験や資格、既に持っている能力等ではなく、「潜在能力」が評価基準となります。新卒や第二新卒などの未経験の応募だとしても、ビジョンや熱意によって合否を判定します。
そのため、「即戦力にはならないが、将来的に素質がある人材」を確保することがポテンシャル採用の目的です。
採用した後の育成計画と併せて実施しましょう。
ポテンシャル採用をするメリット
続いて、ポテンシャル採用をするメリットについて紹介します。ポテンシャル採用をするメリットは以下のようなものが考えられます。
企業の活性化に繋がる
ポテンシャル採用をすることで、企業の活性化に繋がります。特に日本の中小企業では少子高齢化の影響もあり、企業内の高齢化がどんどん進んでいます。企業の高齢化が進むと、新しいことにチャレンジできなくなったり、時代の流れに乗ったビジネスを展開できなくなることもあります。しかし、ポテンシャル採用を導入して、新しい優秀な人材を確保することで、早いうちにリーダー候補となる人材を育てることができ、その人材を中心にビジネスを展開することができます。特に製造業などでは、高齢者の先輩方の知識や経験などのノウハウを伝授することで、企業の活性化に繋がります。
将来的な役員・幹部候補を育成できる
ポテンシャル採用は将来的な役員・幹部候補を育成できるというメリットがあります。中途採用の場合は基本的なビジネスマナーやスキルを持っていますし、セルフマネジメントスキルが高い人材も多いです。このようなスキルやこれから身に付けるスキルの吸収力に期待して優秀な人材を確保することで、柔軟に企業に役立つ人材に育成できます。将来的に企業にとって必要不可欠になるかもしれない人材を早めに確保できることは、大きなメリットと言えるでしょう。
若手人材が集まる
求職者にとって「未経験歓迎」はとても魅力的な求人です。応募のハードルが低いため、多くの求職者が集まり通常の新卒や第二新卒を採用する時の母集団形成も容易になります。
ポテンシャル採用をするデメリット
続いて、ポテンシャル採用をするデメリットについて紹介します。ポテンシャル採用をするデメリットは以下のようなものが考えられます。
育成コストがかかる
ポテンシャル採用は、そもそも即戦力となる人材を確保する採用方法ではないため、十分に業務を遂行できるようになるまで教育する必要があります。特に業界未経験であれば、その分野に関する経験と知識を積む必要がありますし、社会人経験がない人はまずはビジネスマナーやスキルから教育しなければいけません。
さらに、最近の若手は自分に合わないと思うとすぐに離職してしまう人も多く、せっかく採用して育成にかかる時間やコストが無駄になってしまうこともあります。そのため、ポテンシャル採用をする際は求職者が何度も転職を繰り返していないかどうかも事前に確認することが大切です。
ポテンシャル採用を失敗しないコツ
続いて、ポテンシャル採用を失敗しないコツを紹介します。ポテンシャル採用を失敗しないコツは以下になります。
ポテンシャルの具体化
そもそも、ポテンシャルとは潜在能力や可能性、将来性という意味を指しますが、企業によっても求める人材が異なります。ポテンシャルの具体化をしないと、何となくで採用してしまい、求職者の本質を見抜けない可能性もあるため、必ず事前に「自社にとってのポテンシャルとは何か?」を具体化しましょう。
まとめ
今回はポテンシャル採用の基本的な情報やポテンシャル採用を導入するメリットとデメリットなどについて詳しく解説してきました。ポテンシャル採用は中小企業の人材不足や企業内の高齢化を防げるだけではなく、今後の企業のビジネスにも関わる重要な採用方法です。大手企業でも、Yahoo!株式会社やサイボウズ株式会社などもポテンシャル採用を導入しており、今後は今以上に注目される採用方法になることでしょう。導入を検討している企業は、ライバルが少ないうちに、優秀な人材を確保するためにもポテンシャル採用を導入してみてはいかがでしょうか。