あなたは業務で困った際、職場で気軽に相談できますか?
または、会議の場で発言はしやすいですか?
上記の質問に「NO」と答えた場合、あなたの職場は残念ながら心理的安全性が低い可能性があります。
この記事では、心理的安全性の概要から職場の心理的安全性の測り方や作り方などを詳しく解説していきます。
心理的安全性を上げることで、あなたの職場またはチームの生産性を向上することが可能です。
では、さっそく解説していきましょう。
心理的安全性とは?
心理的安全性とは、心理学者のエイミー・C・エドモンドソン 教授が提唱した言葉であり、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも、安心して発言できる環境のことを指します。
また、冒頭で質問したように、心理的安全性が低い組織だと気軽に質問が出来なかったり、会議の場でも発言がしにくかったりとギスギスしたような状態を表します。
では、具体的に心理的安全性が低い場合には、どのようなことが起きるのでしょうか?
心理的安全性が低い職場にある特徴を4つ解説
そもそも、心理的安全性が低いことでどんな問題が生じるのでしょうか?
まずは個人に症状が発生します。その症状が広がり、組織にも障害がでてきます。
どのような症状なのかはこれから詳しく解説していきますが、まずは以下の特徴がご自身に該当するかどうかをチェックしてみてください。
心理的安全性が低い組織に所属する人の特徴
※エドモンドソン教授がスピーチフォーラム”TED”で提唱
- 組織に無知だと思われないために質問をしない
わからないことを質問することで「自身の評価が下がらないか」を不安に思い質問できなくなる - 組織に無能だと思われないために間違いや弱点を認めない
間違いや弱点を見せることで周囲の評判や信頼を落ちるのを気にしてしまい隠してしまう - 組織に邪魔をしていると思われないためにアイディアを出さない
会議などにおいて、的外れな意見や会議の遅延する人だと思われないように行動し、意見を出せなくなった - ネガティブだと思われないために現状を批判しない
今、必要なことだとわかってはいるが、発言することで批判につながり、相手にネガティブのやつだと思われないように行動している
もし1つでも該当する場合、あなたが感じている心理的安全性は低いと言えます。
さらに、心理的安全性を感じられていない人たちには、ある共通項があります。
それは発言することをやめるということです。
なぜ、このような行動をとってしまうのでしょうか?
心理的安全性が低いと、なぜ発言しなくなるのか?
それは多くの人が、自分のことを賢明で役に立つ、ポジティブな人だと思われたいからです。そうなるためには、逆の立場にある「無知で無能に見せないこと」を避ければ良いのです。その回避方法は簡単で「発言しないこと」ただそれだけ。さきほどの説明した心理的安全性が低い4つ行動につながるというわけです。
あなたの組織を振り返ってみてください。心理的安全性は高いですか?それとも低いですか?
では実際に、心理的安全性の測り方を確認していきましょう。
あなたの心理的安全性は高いのか低いのか?具体的な測定方法を解説
具体的な測定方法について解説していきます。これは、米Googleが2012年から行ってきたプロジェクト・アリストテレスという生産性向上計画の一部で2016年にで出た研究結果を元に作られた測定方法となっています。
内容としては、7つの質問に「強くそう思う」「そう思う」「そう思わない」の3つから答えます。
質問内容
- チームの中でミスをすると、たいてい非難される
- チームのメンバーは、課題や難しい問題を指摘し合える
- チームのメンバーは、自分と異なるということを理由に他者を拒絶することがある
- チームに対してリスクのある行動をしても安全である
- チームの他のメンバーに助けを求めることは難しい
- チームメンバーは誰も、自分の仕事を意図的におとしめるような行動をしない
- チームメンバーと仕事をするとき、自分のスキルと才能が尊重され、生かされていると感じる
全て答えたら、まずは(1.3.5)と(2.4.6.7)を分けましょう。
(1.3.5)は「そう思わない」に近い方が、心理的安全性が高い。
逆に、(2.4.6.7)は「強くそう思う」に近い方が心理的安全性が高いと判断します。
これらを元に総合的に高いのか低いのかを判断していきます。
非難される機会が少なく、チームメンバーの風通しが良いほど、心理的安全性が高い環境であり、生産性を期待できるチームと言えます。
心理的安全性の高め方とは⁉
心理的安全性は高めることが可能なのでしょうか?エドモンドソン教授は、3つの行動を提唱しています。
- 仕事として捉えるのではなく、学習の機会と捉える
- 自分が間違っているということを素直に認める
- 好奇心からくる質問には積極的に答える
以上の3つを個人だけでなく、チームまたは組織全体で認識することができれば、心理的安全性を高めることができます。
心理的安全性の高い組織の作り方を意識しよう!
あなたの心理的安全性はどうでしたか?
組織での立場によって結果は変わってきますので、組織全体で測定することが望ましいです。
最後に、エドモンソン教授によると、心理的安全性が高い職場には以下の3つ特徴が見られます。
- ポジティブな発言が多い
- ミスや問題についても話す機会が多い
- 職場に笑いとユーモアがある
これらが職場の生産性を上げることにつながるということは、言うまでもないですね。
ここでは心理的安全性の重要性や作り方をお伝えしました。あとは行動するだけ。
あなた自身が心理的安全性の高い組織を作っていくことを願っています。